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2020-11-11

「サラリーマンの不動産投資ってどうなの?」ってお話し。

本日はタイトルの通り、不動産投資についてのお話しです。

私は以前、自己紹介にも書かせて頂きましたが、某大手投資用マンションデぺロッパーで法務担当をしておりました。

法務担当ってどんな仕事?っていいますと投資用マンションの営業マンってほとんど宅建を持ってません。

契約となると私の在籍していた部署の人間が重要事項説明の読み上げに伺います。

いわゆる契約担当ですね。その他には物件の調査をして重要事項説明書を作成したり、契約書を作成したり各契約書面のリーガルチェックをしたり、ローン会社にローンを提出したり、司法書士先生とお引渡しに向けての業務なんかが主な実務でした。

それまで不動産営業、ホテル支配人、ホテルコンサルタントとして仕事をしていた私は自分の好きな「法律分野」に携わる事にやりがいを「最初」は感じておりました。

ここからタイトル部分に踏み込みます。

結論から申し上げますと、投資用不動産はオススメしません。

「10万円からはじめる不動産投資」的な不動産投資関連の本が書店やAmazonなんかを見ますと沢山出版されており、私も「その手の本」はかなり読み込みました。

例をひとつあげさせて頂きます。

・新築投資用マンション2,500万円を自己資金10万円で35年のローンを組みます。

・2490万円の元金を35年で1.65%(かなり優遇された金利です。)の金利で借りた場合の毎月の返済額は78,082円(元利均等)となります。

毎月の管理費13,000・修繕費700円だとします。合計13,700円

・新築デぺの場合サブリースが同時契約が条件の場合がほとんどです。
そのサブリース賃料が90,000円だとします。

毎月の支出:78,082円+管理費・修繕費:13,700円=91,900円

毎月の賃料収入:90,000円

月額収支:▲900円(←これはかなり良心的な数字です。)

|そもそも収益が発生しないなら本末転倒

営業マンはそうお客様に話します。

「確定申告による還付金が入ります。節税です。」

「毎月900円の持ち出し金で資産が持ててしかも団体信用生命保険による保証が受けられるんですよ。」

「万が一があった場合に保険よりもずっとお得ですよ。」

なんて上記の収支を見せながらクロージングを致します。

出来上がったテンプレート営業です。

ここで、悪くないなと思って(断れなくて)ご決断されるお客様が購入されます。

私ならここで思います。「投資の話が節税と保険に話が変わっている。」

次に投資用不動産のリスクについて。

近年、金利に関しては落ち着いた状態が続いているので、激しい金利変動は個人的には、ほぼないと思っておりますので、一旦割愛させて頂き、一番着目してもらいたい項目がその「サブリース賃料、管理費、修繕費」の部分です。

以前の記事にも書かせて頂きましたが、まず、サブリース契約って確かに空室リスクをヘッジするのに聞こえは良いのですが、サブリース契約自体に多くの問題が御座いまして、サブリース契約書には「5年更新、家賃2年毎の賃料見直し」とされているケースが一般的です。

ですが、このサブリース契約って「借地借家法第32条」という穴だらけの法律で成り立っておりまして、、、、以下、 借地借家法第32条(借賃増減請求権) について。

○ 借地借家法第32条(借賃増減請求権)

(1) 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
(2)(略)
(3) 建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

つまり、借主であるマンション販売会社(の子会社の管理会社)は家賃の減額交渉って契約条件に関わらず出来るんですよね。契約書の2年ってあまり意味を持たないんです。

先日、この件に関して触れさせて頂きましたので、ご参考下さいませ。

マンションを購入されたお客様のサブリース賃料収入が90,000円の場合にはそれ以上の賃料で入居者を募集します。

それで入居者が入らなければ、マンション会社はマンション購入をされたお客様に対して、サブリース賃料の減額交渉をする事になります。

ここで「契約内容・聞いた話と違う」トラブルが起きます。

また、大規模な地価上昇がなければ家賃って新築マンションでしたら購入時が一番高く、建物が古くなれば下がっていくのが普通です。

サブリース契約書に記載された通りの賃料が「絶対に」90,000円の固定収入が入る訳ではないのです。

単純に10年後・20年後の家賃ってずっと90,000円だと思えますでしょうか?

投資用マンション業者の「空室の安心保証」というのは保有リスクの担保としては弱いというかあまり意味が無い様に個人的には思います。

もう一点の「管理費・修繕費」ですが、これは将来的に上がります。

管理費・修繕費に関しては管理組合の決議においてオーナー様の総会決議により決定されるのですが、上記の 管理費・修繕費:13,700円は新築時の費用です。

当然、建物が古くなれば管理・修繕に掛かる費用に関しては上がって参りますし、建物が古くなれば突発的な出費に対してもマンションオーナーの皆様で負担する必要が御座います。

また、入居者の通常の使用以外によるお部屋の設備類の故障に関する費用はマンション購入者のオーナー様に負担義務が御座います。突発的な出費です

この辺りから上記の「毎月900円」の持ち出しでというのは間違いなく年々増えていくイメージを持って頂けると思います。プラスで金利変動要素もあります。

(節税部分に関しては一概に言えないので詳しいお話をご希望のお客様はご相談頂ければと思います。)

それらの理由から投資用マンションに関しては一度、慎重になって頂きたいのです。

賃料は変動します。

サブリース賃料も変動(ほぼ下がって参ります)します。

金利も変動します。

管理費・修繕費は上ります。

持ち出し金は購入時より高い確率で上ります。

また、売却するとなった際に売却価格で残債抹消できますでしょうか?

売却価格で残債が抹消でければ残債抹消の為に更に「まとまった持ち出し金」が必要になります。

それが出来なければ、持ち続けるしかないんですよね投資用の資産だったはずの不動産が「負動産」になります。

これは私の考えですが、投資用マンション買うなら最初から持ち出し金が発生する物件は買いません。

きちんと利回りが発生し収入が増える物件じゃないと絶対に買いません。

節税の前に収入が増えなければ全く意味ありません。

「税金対策になったけど所得が減った。」綺麗な本末転倒です。

プラス、売却時に売却益が見込める物件、もしくは購入・売却に掛かる諸費用を含めてトントンであれば保有期間の賃料はプラスの収入になりますので、OKです。それであれば保有リスクも納得出来るかな?というところです。

そもそも収入増えなきゃ投資する意味ないですし、所得増やすなら保有リスクを抱えず、副業でもした方が確実に所得は増えます。

そして私がこの様に、投資用不動産の中でも特に新築投資用マンションをお勧めしない理由はこの売るときに持ち出しリスク・保有リスクを小さく見せる売り方をするからなんです。

もう一点は売るとなった時には新築マンションでなく中古マンションなんです。ガクッと価値がこの時に落ちます。

(最初から中古でしたらある程度、持ち出し金のリスク、変動リスクがある程度見通しが立つので新築に比べたらリスクは少ないと思います。)

ただでさえ、一般のサラリーマンの方が変動要素が多い投資をするのはリスクだど思いますし、マンションは物ですから絶対に壊れる物はあるし、その際には都度出費が発生し、どんどん持ち出し金が増えていきます。

その投資に35年ローンのリスクは大きすぎると思います。私なら新築投資用マンション買う位なら安定上場株を買います。

保険目的なら目的に合わせた保険に入ります。(最近はあまりいい保険って無いのですが。。)

時折、中古でこれは!という投資用マンションがあるのもありますが、そういうのは市場に出回る前にサッと不動産屋さんが自ら保有します。

私もそういう不動産を見つけた時には自分で買うと思います。

品のない言い方してしまいますと「儲け話は人には売りません」

最後に、これ書いちゃ不味いかなと思ったのですが、決定的な事を書いちゃうと私が勤めていた会社で自社の商品を持っている社員は一人もいませんでした。

それでも不動産投資にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、リスクを踏まえ綿密にシュミレーション致した上で、ご検討頂ければと思います。

また、投資用マンションを保有していく事が難しい状況でお困りのお客様がいらっしゃいましたら、ご売却、問題解決のお力になれればと思いますので、お声掛け頂ければと思います。

それでは!

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