toggle
2020-11-02

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行令」閣議決定とサブリース契約に関してのガイドラインが策定されました。というお話。

ややこしいタイトルですが、これまで「ザル法」と呼ばれて(思って)おりました)賃貸住宅の「サブリース」に関して10月13日に閣議決定されましたので、その背景やこの法制定の持つ意味について書かせて頂こうと思っております。

本件に関する国土交通省発表のリンクです。

まず「サブリース」という言葉ご存知でしょうか?

サブリースとは大家さんがサブリース契約を行なっている業者さんと「サブリース契約」という「賃貸借契約」を行う契約で、「家賃保証により安心」「当社にて一括借り上げ」「毎月のお家賃保証」など、ご覧になられた事がある方も多いかと思います。

詳細に関しては下記のページにて詳しく書かれております。

全国賃貸経営保証機構へのリンクです。

この法律が制定される背景として、上記の様に「家賃保証」「一括借り上げ」を謳い文句に「空室の心配なく大家さんになれる」と一般のお客様を安心させ自社の商品(一棟アパートや投資用マンションなど)を販売する業者と、そのトラブルが多く発生していた背景が御座います。

消費者庁のサイトへリンク致します。

ここから少し掘り下げます。

まず、このサブリース契約というのはお客様(購入者)と販売業者で結ぶ賃貸借契約でして、一般的には「5年契約・2年毎の家賃の見直し」という形で契約されるケースが私の知る限りでは一般的な契約形態です。

そしてこの契約で何で問題が発生するのか?

これは借地借家法(下記参照)という法律の盲点をついた業者さんがあまりにも多かった。という残念な現実が御座います。

①借地借家法32条による定め

 ○ 借地借家法第32条(借賃増減請求権)
(1) 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
(2)(略)
(3) 建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年1割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

上述の通り、サブリース契約というのは一般的には「5年契約・2年毎の家賃の見直し」と契約をするのですが、借地借家法第32条の赤文字部分を見て頂いた通り、「契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。(借賃増減請求権)」とされています。

つまり、業者さんは入居者さんが集まらなかった場合など、当初の契約条件に関わらず、家賃の減額交渉が出来ちゃうんです。

契約したサブリース契約の内容って実はあまり意味を為さないんです。

宅建業法では「個人のお客様」と「業者」を区別し、「個人のお客様」の保護性を高める法律(代表的なもので8種制限というものがあります。)があるのすが、このサブリースに関しては「借主である業者を保護する法律」として、保護すべき「個人のお客様」ではなく「不動産業者」が保護されてしまっていた法律でした。(冒頭のザル法と申し上げたのはそういった意味からです。)

当然、お客様はご契約時に「5年契約・2年毎の家賃の見直し」とセールストークで安心して物件購入・アパート経営をされていたわけですから「話が違う」「収支が合わない」となってしまう訳で、トラブルが勃発してしまっておりました。

それなら契約解除すればいいじゃんとなるのですが、賃貸借契約というのは貸主から解除するのには「正当事由」が必要とされており、その正当事由というのがややこしい論点で御座いまして、現実的には金銭を支払う事が要求されてしまいます。(ここも業者借主の場合、要保護性が逆になってしまっておりました。)

そんな背景があり、個人的には遅すぎると思うところでは御座いますが、今回、法改正に至りました。

そして今回の法制定されたポイントをまとめですが、

・不当勧誘等の禁止の対象となる「勧誘者」に、建設請負や不動産売買の際に契約の勧誘を行う建設業者や不動産業者や、サブリース業者から勧誘の依頼を受けた賃貸住宅のオーナーが該当することを明確化。

・「家賃保証」等の誤認を生じやすい文言を広告に使用する場合は、その文言に隣接する箇所に、定期的な家賃の見直しがある場合にその旨及び借地借家法の規定により家賃が減額され得ることを必ず表示しなければならない。

・契約の締結前に、オーナーに対し、契約条件に関わらず借地借家法に基づき家賃が減額され得ること等を書面に記載して説明しなければならないことを明確化。

と、賃貸住宅の手数料と同じくしっかりと、契約の締結前に、オーナーに対し、契約条件に関わらず借地借家法に基づき家賃が減額され得ること等を書面に記載して説明しなければならないことを明確化する様にとなりました。

個人的には不動産売買に於ける8種制限(これについてはまた改めて)と同じ様に、サブリース業者に対しては借賃増減請求権(もっといいますと借賃〝減請〝求権)を除外した方が良いのではと思うところでは御座いますが、今回の法制定により、規制がされたのは「遅すぎます」が、大きな一歩かと思います。

もしも、現在、こういった投資用マンションやアパート経営のお話を受けていらっしゃる、現在、所有されてしまっており、「負動産」化してしおり、お困りのお客様がおりましたら、私たちにご相談頂ければと思います。

そして、今後、この手のお話があった際には「儲け話は人に売らない。」と思い出して頂ければと思います。

(因みに私にもよく投資用マンションの営業マンから電話が掛かってきますが、「そんなに良いものなら何で売っちゃうの?会社で保有するか自分で買った方がよくないですか?」って毎回言います。必ず営業は答えに困り黙ります。)

重ねてとなりますが、現在、こういった投資用マンション・賃貸アパートをお持ちで、お困り・お悩みのお客様は遠慮なくお声掛け頂ければと思います。問題解決に向けてお力になれればと存じます。

関連記事